神聖喜劇が全五巻やっっっっと読み終わった!

神聖喜劇 (第5巻) (光文社文庫)

神聖喜劇 (第5巻) (光文社文庫)

ここ一年くらいずっとこの本にかかりっきりでした。途中でiPod購入により本を全く読まなくなった時期があったり。長かったなー。ハードだったー。でも途中で他の本に浮気することなく、私は一途でした。投げ出さなくて本当に良かったと思う。読み終わってジーンと余韻に浸ったあと思ったのは東堂でも大前田でも冬木でも村上少尉のことでもなく、「やっと他の本が読める!」というものでした。なんたる不遜な読者か笑!しかし凄まじい本でしたよ。軽い気持ちで読み始めましたが、東堂の展開する軍国主義が持つ責任阻却の論理からぐぐっとのめり込んで、安芸の彼女との逢瀬にちょっとトキめいたり、冬木や橋本の生い立ちに「あーやっぱりー」と思ったり、引用されてたトーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」を買ってみたり(未読)、剣鞘摩り替え事件でサスペンスを味わってみたり、大前田の最後のチョンボで「あーもうバカー」ってなってみたりしてました。みんないい思い出!なんだか学校を卒業するような気持ちです。また歳を重ねてからもう一回読みたいですね。