昨日のこと

昨日の午後、僕の母方の祖父が亡くなりました。
だいぶ前から良くない状態が続いていて、3日前に危篤状態になったそうです。
折しも連絡を受けた昨日は勝井さん・岡部さんのお二人を迎えた旅団のリハで、相当楽しみにしてて、ウキウキしてたんです。
菊地成孔のことばを借りれば、憂鬱と官能が一気に訪れた訳です。
祖父との思い出は僕がまだほんの幼い頃のものしか残ってないんですが、でも物凄く可愛がってくれたことは覚えています。その後祖父は鬱傾向になってしまいずっと入院しており、僕は中学生になった頃から、数える程しか祖父に会っていません。断片的に聞く話だと、去年あたりから母の顔をみても誰だかわからなかったそうです。

話は変わって昨日のスタジオの話ですが、やはり勝井さん・岡部さんは偉大であり、巨大でした。正直、旅団の曲があんなにいい曲に思えたのは初めてで、目からウロコが100枚近く落ちました。
吉祥寺GOK SOUNDの一番でかい部屋。そこはONJOの「OUT TO LUNCH」が吹き込まれた場所であり、ほかにも僕が知らないだけで数々の名盤があの場所で産声をあげた、いわば僕にとってエルサレムのような場所のひとつで、そんな場所でお二人と演奏できたことは、本当にデカイ経験。15日のiyaoi rhythm本番と並んで、間違いなく僕自身の転換点となるでしょう。僕は祖父が死んだことも忘れ、ジャンベを叩くことすらせず、もう夢中でスティックを振って、脳内で必死にお二人とセッションしたのです。

こんなこと書くとなんとも不謹慎なようですが、危篤状態に陥った祖父が昨日まで持ちこたえてくれなかったら、9日の段階でもう力尽きていたとしたら、僕は昨日のセッションには参加できなかった。あのヤバイくらい高揚した音を体験できたのは、祖父のおかげなんです。彼は僕にとびっきりの憂鬱と官能をプレゼントしてくれた。感謝しています。

今から新幹線に乗って、祖父とお別れしてきます。「お疲れさま」と、「ありがとう」を言うのを忘れないようにしないと。