風は埃と音楽を乗せて

ついさっきタワレコに行って、富樫雅彦カルテットの「We Now Create」を買ってみました。試聴して凄まじく良かったんですね。成孔先生の赤アイラーのテーマ「即興」の部分だけナナメ読みして日本のフリージャズ(高柳昌行富樫雅彦佐藤充彦など)の音源が無性に聴きたくなっていたのです。成孔先生と大友さんのお話によると、日本の最初期のフリージャズ界隈では、誰々が誰々とケンカしてる・アイツが誰々に吹っかけた・等のケンカとは、女絡みだとかステージでの立ち振る舞いが気に入らないとか、そういう事じゃなくて、いわゆるイデオロギーの衝突であり、一回ケンカしちゃったらもう和解はないような種類ものだったようです。そういう話を読んでからこの富樫雅彦カルテットを聴くと、実際に聴こえる音以上になんというかその4人の間の空気とか緊張感だとかが想像することができて、よりスリリングに聴こえたりします。好きなように聴けるのは聴き手の特権ですね。
富樫さんのパーカッションは僕が聴いてきたヨーロッパ系の(そんジャンルあんのかな笑)フリージャズのドラマー(Fredy StuderとかPierre Favreとか)の演奏のような響きかたをしていて(hatlogyとかその辺のレーベルの音に近いように感じた)、録音された1969年という時代を見ればどっちがオリジナルかは一目瞭然で、このスタイル・というかドラムの響きかたはじっくり研究したいと思う。要するにもっと聴きこみたいってことですね。