2006-03-02 禁色 『ただ自分の内面をさらけ出すのがいやさにああしていただけだ。しかも玲子は僕を単純な明るい少年と誤解し、僕は僕で玲子の恋に気づかずにいた。誰しも他人に対する誤解を唯一の生甲斐に生きているのだ。・・・・』 三島由紀夫 「禁色」より 彼女は僕を単純な明るい男と誤解し、僕は僕で彼女の恋に気づかずにいた。 他人に対する誤解は時として愛と慮りに溢れ、時として底なしのエゴを見せつける。 なるほど。唯一の生甲斐とはよく言ったものだ。