「君はとてもきれいだよ。そのことは知ってた?」

ぼくはバイト上がりにいつも終電間近の田園都市線に乗る。
金曜の夜ともなればヨッパライが千鳥足でいい気分になってるのを横目に、

「けっ」

とツバを吐きかけてやりたい気持ちになる。

学生が飲み会のあとに乗り込んでくる車内が一番サイテーだ。
うっせーんだもん。わーわーぎゃーぎゃー騒ぎやがって!
自分もあんなんだったかと思うと凹む。
でまた、

「けっ」

とツバを吐きかけてやりたい気持ちになる。

居酒屋とかでもよく感じる気持ちなのだが、
どうして自分以外の人が楽しそうーに気持ちよさそーにしてるのは不快なのだろう。
たとえば、4・5人のグループで飲んでたとして、もうどうせ僕らのことだから
盛り上がる話題といえばしょーもないクダラナイ話だろう。
そこに隣の席に同じように4・5人でしょーもないクダラナイ話で盛り上がってるグループがいる。
そのグループの会話が聞こえてくる。
ぼくは間違いなくこう思う。

「くだんねぇ話してんなぁ」

自分らだってくだんねぇ話して盛り上がってる、にも関わらず、だ。
なんでなんだろう。不条理なまでに腹が立つ。

そんなことをsgtメンバーのアカシに話したところ、


「それはな。嫉妬や」

彼の見解では、ぼくはそのぎゃーぎゃーうるさい学生や、隣のグループに嫉妬しているのだそうだ。
なるほどな。そうかもな。


なんとかならんか。羨まずにはいられないのか。その辺どうなんだ。